1.ジェット機事故とカビ雲の関係?

2.こんなリフォームは間違い!

3.正しい換気の仕方とは?

4.効率の良い換気方法とは?

5.冬は寒く換気はしたくない方へ!

6.換気とアレルギーの重要な関係とは・・・

7.換気を必要とする箇所と方法

8.雨の日の換気はどうしたら良いの?

9.靴の中はカビ菌の楽園!(水虫菌)

10.すでに5億年前にカビが・・・

11.カビは壁紙クロスがお好き!

12.喘息・アトピー更に水虫から癌まで

13.食品工場は特にカビにご注意を・・・

14.湿気が嫌いなカビの存在(乾好性カビ)

15.冬の結露のピークを上手く乗り切る方法とは?

16.換気のタイミングはこのツールを活用!

17.使っていない部屋が何故カビる理由は?

36.調湿内装材の「放湿性能」に落し穴!

37.マンションの部屋の立地とカビの関係

39.カビを残したままのリフォームの問題


18.珪藻土とクロスの吸湿比較

19.真菌症とは?

20.マンションの廊下を歩くだけでカビ発見!

21.エヤコン・加湿器・冷蔵庫に潜むカビ

22.床下収納庫に毒性の強いカビが原因で!

23.床下換気の善と悪

24.格闘家k-1選手の死と殺人カビの存在

25.結露を考えるには露点温度が近道

26.カビの常識が変わる!カビの餌食は・・・

27.一晩でダニがカビを食い尽くしたお話

28.日本の気候風土に合った生活環境の見直し

29.カビの毒性と被害の量

30.二重サッシがカビの原因に! 

31.冷えたビールで結露を現象を解明する

32.家具の配置を考えるだけでもカビ対策が可能?

33.家の方位とカビ被害の関係

34.カビもお風呂が大好き!

35.畳屋さんが「カビの犠牲」に!

38.観葉植物・熱帯魚とカビの関係

このページでは様々な現場でカビ菌が人体や建築物に及ぼす悪影響から、何故カビが起るのか?カビの繁殖条件とは?など過去の現場経験を基に専門的な立場で考察し防カビ施工を施す会社です。一般の方々から建築・リフォーム会社のプロの方々に至るまで「正しいカビの知識」「カビの常識・非常識」も含めご理解頂き、安全で安心な生活環境のお役に立ちたいと考えております。

カビの研究が進み医学的にも
カビ菌は健康被害の原因であり喘息やアトピー性皮膚炎・水虫から内臓疾患・癌など呼吸器・アレルギー症状・皮膚・内臓に至るまで様々な病気の原因菌と言えます。

この様な人体への変調の殆どは、生活環境で発生するカビが原因であり改善する事で十分に症状が緩和・安定・改善する報告がされております。

1.ジェット機事故とカビ雲の関係?

過去アメリカのジェット機のエンジンが脱落!原因は「カビ」であった。翼内タンクの一面にカビが繁殖し翼からエンジンが脱落した。との本を読んだ事があります。上空で飛行している際に霜が付着、着陸し機体内部で霜が溶け「カビ」にとっては繁殖に最適な環境となった為である。
テレビのある番組で中国大陸から飛んで来る黄沙を採取・分析すると黄沙が核となり大陸・海上を通過する際に付着する公害物質と塩分と培地検査でカビ菌も含まれていたようです。これと同じ様な現象が「カビ雲」と言う雲で、数千メートル上空の気流を採取すると「カビ」の胞子が確認された。地表に生息する多量の「カビ胞子」が上昇気流に乗って「カビ雲」となって数千メートル上空にまで飛び遥か遠い大陸を移動していると思うと驚きです。
また静岡の製紙会社の倉庫で野積みされている
材木チップにカビが大量に繁殖し風下に位置する小学校の児童の多くが喘息の症状になった。これは大量の胞子が風に乗って飛散した事が原因であったようである。材木チップを取り除くと全く症状が無くなったようである。私達の身の周りにもカビ菌が浮遊しているのもご理解頂けると思います。



2.こんなリフォームは間違い!

壁紙・ジュラク壁などにカビが繁殖した際に、壁紙を張り替える・壁を塗り替えるなど施工を行う場合、必ずカビの除去(殺菌・抗菌処理)を行う必要があります。 現実は全くカビが処理されずに施工され結果的にまたカビが繁殖した! こんな施工の方法が一般的ではないでしょうか? また雑巾などでカビを拭取るとカビの被害は確実に拡大します。
カビは素材内部まで浸透しカビの菌糸(根)は生存したままで、張替え・塗り替えをしても必ずカビは再発するのは当然の事であります。カビの胞子をいっぱいに拭取った雑巾をバケツの水で洗いまた拭く作業はカビ菌を雑巾で色々なところに塗り付けているのと同じです。カビの菌糸にとっては一番住み易く居心地の良い所で、更に十分な水分を貰い一層繁殖に最適な環境が整う事となります。 またジュラク壁を塗り替える際にも壁を落とした後殺菌・防カビ下地処理をおこなわないとジュラク壁が乾燥するまでの間にカビが中なら繁殖し始める事や他からカビの胞子が飛んできて繁殖する場合のありますので防カビ施工は必ず必要と考えております。

カビが生えたからまた新しいクロスに張り替えます?カビはクロスが好物なのに何故に新しい餌を与えるのでしょうか? また、リフォームを依頼した会社からカビが生えたらお客さんの責任です!もっと換気しないと駄目です! カビの原因もしっかり調べる事も無くただ換気不足だけをお客様に押し付けるリフォーム業者は良い業者とは思えません。

3.正しい換気の仕方とは?

一般的に業者の方から、「換気をお願いします!」の一語だけで、具体的にどの様に換気をすれば良いのか?簡単に考えても以下の項目程度は考えられます。

@ 効率の良い換気方法とは?
A 冬場の換気はしたくない!
B なぜ換気をしないといけないの?
C 換気を必要とする箇所と方法。
D  雨の日の換気はどうしたら良いの?

4.効率の良い換気方法とは?

15の換気法則があります。例えば風が入る所の窓を10cm開け風の出口を50cm開ける事を言います。理由は風が入る所を少狭くする事で風速が得られる事で室内の隅々に風を送りチリ・ホコリからアレルギーの原因となる・ダニの糞カビの胞子なども一気に外に排出するメリットがあります。
またマンションなど廊下の左右にある部屋(浴室など)の入り口に、つい立などを置き、玄関から廊下に流れる風を強制的に室内の取り込む事も有効な換気方法です。風を取り込む際に網戸は風を入れる際には抵抗となりますので、網戸を一緒に開ける方が短時間でより換気効率は良くなります。箪笥の裏は少し壁から離す・押入スローゼットにはスノコ板を敷く・などは日頃は出来るだけ扉を開け・扇風機なども使い強制的に換気をする事をお勧めします。

5.冬は寒く換気はしたくない方へ!

せっかく温かくしたお部屋が寒くなるので換気はしたくないのが本音だと思いますが・・・冬場こそ換気が必要なのです。冬場の朝に窓ガラスに結露した水が溜まっている事を経験されていると思います。この結露の原因となるのが、ガス・石油など暖房器の燃焼時や炊事・入浴などで多量の水蒸気が家の中に溜まった状態で就寝し部屋の温度が下がった朝に結露が起こる事が結露のメカニズムです。一言に結露を無くす事はかなり難しい事ですが、換気をおこなう事で結露水の量は確実に少なくなります。
また結露水の量が少なくなれば結露している箇所も少なくなりカビの被害も少なくなります。家中の湿気がピークになる時期に湿度計を利用し換気のタイミングを考える事は重要です。寝る前に一気に窓を開け湿気の高い空気を追い出し外気の湿気の低い空気を取り込むなどの工夫次第で結露量はかなり軽減することにつながります。



6..換気とアレルギーの重要な関係とは・・・

冬の時期の換気は結露を避ける事を優先しますが、四季を通じて換気をおこなう事は健康を守る意味でも重要なことです。例えは30年前には少なかった花粉症・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・夏型過敏性肺炎(夏喘息)などに伴うアレルギー症状が多くなる年代と住宅性能がアップする時代と符合すると考えております。
建物のデザインや外見・断熱機能を重視するあまり機密性が高くなり換気回数が極端に減りハウスダストであるチリ・ホコリからアレルギーの原因となるダニの糞・カビの胞子などを長く吸い続ける事で発病する要因となります。日々の掃除も窓を締め切った状態で掃除機をかけても排気口の風で最も軽いカビ胞子
310μm)ダニの糞80170μm)は空中に浮遊し家に長く居る幼児や主婦の多くが夏喘息(夏型過敏性肺炎)を発病するケースがあります。感染初期の症状としては、咳・熱・息切れが続き、診断では夏風邪と同じ症状で有るがカビ菌が肺細胞に取付き呼吸困難になり死に至る事もある。特に家庭の主婦に多く発病するようである。

また室内のカビ菌の有無を調べる寒天培地を使った落下菌のテストでも明らかに換気をする家庭の方がカビ菌が少ない事が判明した。昔の建物では色々な隙間もあり換気回数(家中の全ての空気が入替る回数)は
57もありましたが、現在の建物では1.52.5回程度で落ちております。
単純に計算しても換気回数が低下する事で
昔の住環境のハウスダスト量の約35を吸い込んでいる事でありアレルギー症状がでるのは当然の事と言えます。先ず病院の診察される前に生活改善をする事で確実に症状は緩和・完治すると考えております。これで四季を通じて換気が重要な事がお解かり頂けたと思います。

7.換気を必要とする箇所と方法

水蒸気が多く出る台所・浴室などは必ず換気してください。特に冬場では一番冷える所、外壁に面している家具の裏、押入・クローゼット、あまり使わないお部屋などは換気を必要とします。また換気し難い部屋の隅・家具の裏などは扇風機などを使いおこなってください。お部屋の窓も対角線になるように風を流すなど工夫してください。

8.雨の日の換気はどうしたら良いの?

基本的には雨の時は換気をしないようにしてください。外気の高い湿気を含んだ空気を部屋の中に入れる事は止め梅雨の時期などは除湿器などお使い頂くことをお勧めします。床下の強制換気も同じです。

9.靴の中はカビ菌の楽園!(水虫菌)

一般的に靴を12時間履いた時の靴下一足における菌は3億個にまで繁殖し、足の蒸れる人や水虫症状の激しい人は810億個までになるとの研究報告もあります。カビ菌の種類で白癬菌が有り一般的に白癬菌は水虫菌とも言われております。繁殖する場所により症状名が変わります。足では「水虫」、頭では「シラクモ」・ほぼ身体全体では「タムシ」・陰部では「インキン」などの病名に分かれておりますが同じ白癬菌が原因です。
近年、若い女性に水虫が流行しているようで、靴の乾燥と消毒は必要であると思います。防カビ剤
MD123を左の靴下と靴に散布処理、右の靴下・靴には未処理。朝から帰宅するまで靴を履いてもらった結果、足の臭いの差は歴然です。

34.カビもお風呂が大好き!

一般住宅の中でカビの被害が最も多いのは浴室の中で繁殖しているカビ菌の種類が多いのも浴室です。皮脂・石鹸カスなどの栄養素と湿気・温度など最適な条件といえます。

カビが起らない為には、入浴した後は冷たいシャワーで石鹸カスなどの汚れを落とすと同時に浴室内壁面温度を下げる。入浴後水滴が残らないように拭いておく。溜め水は出来だけしない。溜め水をする場合は浴室に蒸気を出さないように浴槽の内蓋にお湯全体にかぶせるようにシート状の蓋を置き、更に上蓋も使い湿気を浴室内に出さない。浴室内の換気扇を使う。換気扇が無い場合は扇風機を利用するなど換気の工夫をおこない出来るだけ浴室内を乾燥させるように努めてください。
浴室を換気する際、湿気を含んだ空気が他の室内に流れ込まないように注意してください。また浴室の扉を閉めたままで換気扇を動かしていても良い換気方法ではありません。1日の疲れを摂る為の浴室がカビ菌で汚染されているのは辛いですね。

10.すでに5億年前にカビが・・・

人類の歴史より以前にカビが生息していた事が「カビの化石」として残っていたようです。カビの進化の歴史からすると数々の氷河期を乗越え現在に至るまで生き続けてきたカビの生命力と旺盛な繁殖力を考えても、「頑固なカビ」と呼ばれる意味がこの長い歴史にあると考えるのは当然のようです。

11.カビは壁紙クロスがお好き!

内装材のクロス(壁紙)は、約30年前から日本で使われるようになりました。またこの時期からアレルギー症状やアトピー性皮膚炎などの症状が社会問題となった時期でもあります。医学的にカビの研究も進み、クロス素材表面は紙の物は少なく一般的にはポリ塩化ビニール素材の中に60%近く混入されている可逆剤がカビの好物で、樹脂コーキング剤も好んで繁殖するカビあるようです。 プラスチックやビニールなどにカビが生える事は無いと思いがちですが、この事実から全く誤解だったようです。

日本の高温多湿の風土には湿気を吸わないクロスではなく湿気を吸収してくれる土壁(珪藻土・土壁)が風土に合っていると考えております。クロスの発祥の地は湿度の低い海外で考えられた商品で日本の気候には不向きではないでしょうか?

リフォームの際にクロスにカビが生えたから、また新しいクロスに張り替えますか?カビも生物なので一度繁殖に成功した所は快適で繁殖条件が整っている所に、また新しいクロスをわざわざ貼る事はカビに餌を与えるようなものです。 カビの原因をしっかり調べ新たな提案をしないとお客様に申し訳ないと思います。

18.珪藻土とクロスの吸湿性能比較

実際の現場で体験! マンションの最上階で北向6帖部屋のサッシ窓の壁にカビがしっかり生えて、しかも結露でクロスが剥がれベニヤも結露でボコボコになっている状態。
 問題の窓の壁部分3u程度だけ珪藻土を塗り防カビ施工したのですが、何と!室内の湿気を僅か3uの珪藻土が吸収し結露は無くなりました。珪藻土を塗った面積は僅か全面積15%程度でその他はクロス壁です。 珪藻土の湿気も吸収する能力は、どう考えても塗る際に使った水は約2.5g、物理的に考えても結露水2.5g近くは湿気を吸収してくれる素材であります。いったん吸収した水分は日常の換気(放湿)をおこなう事で除湿効果は十分に復帰します。

お客さんから質問で?珪藻土をどの程度の厚みで塗るのが効果的か?について回答すると、塗る厚みは薄く塗り面積を広くする事が最も効果的な塗り方です。厚く塗ると面積当り吸湿量は多くなりますが、逆に吸い込んだ水分を完全に放湿するまでに時間が掛かり効果的ではありません。薄く塗る事で僅かな時間で乾燥することで、また室内水分を吸収してくれます。自然素材で人体にも優しく吸臭効果もあります。


19.真菌症とは?

カビは微生物の一種で"真菌"とよばれています。カビが人間の皮膚や体内に取り付いて増殖する事によって発病する症状を真菌症と言います。カビによる健康被害は(1)アレルゲンとしてのカビによるアレルギー疾患(2)感染病原微生物としてのカビの感染症 (3)毒素産生微生物としての中毒性疾患があります。

(1)アレルギー性疾患
カビによる代表的なアレルギー疾患としては、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、アレルギー性結膜炎等があり、中でもアレルギー性呼吸器疾患事例が多くあるようですが、カビが原因と証明するのは簡単ではないようです。過敏性肺炎、農夫肺、加湿器病、夏型過敏性肺炎等が知られています。アトピー性皮膚炎とカビとの関わりも指摘されています。アレルギー性鼻炎の原因となるアルテナリアというカビは、胞子が大きく鼻孔内に捕捉されるカビです。花粉やダニの糞も原因となります。
((2)感染症
カビが病原微生物として人体組織内に寄生、侵入して炎症性の疾患を起こす場合があり、カビ感染症といわれます。カビ感染症には浅在性真菌感染と深在性真菌感染があります。水虫(白癬症)やカンジダ爪囲炎など皮膚科で扱われる皮膚真菌症は浅在性であり、内科で扱われる内因性感染症(カンジダ症、放線菌症、ゲオトリクム症)、外因性感染症(アスペルギルス症、クリプトコッカス症、ムコール症、ペニシリウム症等)は深在性です。深在性真菌症は、がんや膠原病など免疫機能が低下した場合に起こりやすくなります。

(3)カビ中毒症(真菌中毒症)
カビが産生するマイコトキシン(真菌毒素)が原因です。黄変米やトウモロコシ、ピーナッツに増殖したアスペルギルス属が産生するアフラトキシンは肝がんの発がん性の有る毒があります。カビ菌は60℃カビの胞子は6570℃で510分程度で死滅しますが、カビ毒は過熱しても消える事はないようです。またカビの種類によってはヒ素より強い毒性の物もあります。

20.マンションの廊下を歩くだけでカビ発見!

仕事でマンションの廊下を歩くとカビのある家が判ります。廊下側に排気された家の空気を嗅ぐとカビ臭がする所は確実にカビはあります。カビ臭の中でキノコと同じ様は臭いの物や、ホルムアルデヒドの様な化学物質過敏症のような症状となるカビも有ります。また、カビ被害の多いマンション住居の立地は最上階住居、端の住居、角の住居の多くカビの被害は集中します。

また住宅内では、玄関扉付近、廊下側に面しているお部屋、浴室・洗面所、外壁に面している家具の裏壁・押入などカビの被害が集中しています。あるテレビ番組で夏喘息と言われる病気が紹介されました。一般的に夏風邪と同じ症状なので発見がし難いようです。この病気はカビの胞子を吸い込む事で肺の肺胞にカビ菌が繁殖し呼吸器困難になり肺のカビ毒が血液に運ばれ脳にまで移動し死に至る事もあるようです。 

症状としては、家に居ると咳・微熱が出る呼吸がし難い、外出する症状は止まり帰宅するとまた同じ症状になるようです。こんな場合は一度お家の中にカビが繁殖している事が多く、気管支喘息やアトピー症状の方々の多くはお家の環境に問題があるようで、病院に行く事も大切ですがお家の中の環境を改善する事も大切な事だといえます。

カビがあると防カビ施工で伺うと部屋に入るだけでの依頼の特に花粉症の方は換気が出来ないのでカビの危害が多くなっているのも事実です。マンションは密閉度が高く一般住宅に比べカビの被害は多くあります。

21.エヤコン・加湿器・冷蔵庫に潜むカビ

エヤコンの内部は湿度が高く吸い込んだ空気の中にホコリと一緒にカビ胞子も吸い込み、やがてエヤコン内部にカビが繁殖し約1週間程度でカビは成長し胞子を飛散出来るまでになります。エヤコンが動くと風と共にカビの胞子も室内に放出され室内を汚染しカビの胞子を吸い込む事で起る病気が「エヤコン熱」と言う症状です。

加湿器の中でもカビが繁殖し加湿空気と一緒にカビも放出され吸い込む事で同じ様な症状になることもあります。加湿器の必要性は、冬場は乾燥する為に加湿器を使うようですが、実際に室内で加湿器を使わないでも十分な湿気はあると思います。例えば暖房器具や厨房でガスを使うと燃焼する際に二酸化炭素も出ますが同時に水蒸気も出ます。

入浴する際の浴室の開閉や人体からも水蒸気は出ますのであえて加湿器が必要とは思えません。
部屋が乾燥しているか?目安はドアのノブなどに触れると「パチ」と静電気が放電する状態が湿度約40%以下位だと思います。何れにしても湿度計などを上手く使い結露が少なくなる様な換気をお勧めします。

冷蔵庫内の温度は約5℃程度で保たれておりますが、カビは繁殖します。常温より冷やす方がカビの繁殖活動はゆっくりとなりますが、カビは繁殖します。食べ物の汁やソースなどは格好の栄養素になります。過去カビが繁殖していた食品工場で作られた冷凍食品を調べた結果7割程度の食品にカビ菌が含まれ冷凍してもカビは冬眠状態で死んだ訳ではありません。

22.床下収納庫に毒性の強いカビが原因で!

以前お客様から床下収納庫を空けるとカビがあるので来て欲しいとの依頼でお伺いし、お話をお聞きすると床下収納庫を開けていると息苦しくなる・頭痛がするのはどうしてなるのか? 早速この床下収納庫にホルムアルデヒド検査をおこなうと基準値を明らかに超える数値を検出し体調不良の原因はカビであった事がわかった。カビの種類・繁殖環境によりカビ菌がホルムアルデヒドと同じ様なガスを排出する事があるようで、体調の不良は化学物質過敏症と同じ症状であった。床下収納庫全体に殺菌処理・防カビ処理でカビ臭は消えその後もカビの繁殖は阻止できた。

23.床下換気の善と悪

戸建住宅で使わない和室の畳がカビるのは? こんな問い合わせは寒さが厳しい冬に多くあります。調査すると床下に水が溜まってカビが繁殖したケースは少なく、床下は乾燥し良好な環境で換気口を塞ぐ障害も無く乾燥しているのに、畳裏と床材にカビが繁殖していた。
畳を取り床のカビの繁殖分布と床材の含水率床材表面温度、床下の風の流れなどを調査する事でカビの繁殖の原因が判明します。原因は冬場の窓サッシに結露する状況が床下で起ったのと同じ状況であると判断出来ます。
床下環境は常に乾燥しており床材の含水率が高く湿った感じ、床材表面温度が室内露点温度と近似している。

これらの数値データやカビの現象などから
床下換気口から侵入する冷気が床材を冷やし室内湿度が高くなることで床材付近の湿度が高くなり、床材温度≦室内露点温度の関係になると結露する事になり畳表にまでカビが繁殖することになります。床下の湿気対策に作った換気口がカビの原因になるとは思いもよらない結果となったケースであります。 室内温度25℃ 相対湿度70% であった場合の露点温度は19℃となります。カビが繁殖するポイントは畳下の床木部温度が最大の問題です。

24.挌闘家k-1選手の死と殺人カビの存在

当時の新聞でアンディーフグ選手が急死したニュースが流れた。白血病が病変し解剖の結果は肺の全てにカビが繁殖していたようである。白血病で全くの免疫力が低下し菌に対しての抵抗力も無くカビの菌が一気に増殖し事が原因です。
数年前に東京で少年が頭痛・耳鳴り・吐き気・物が二重に見えるなどの症状で診察を受け脳腫瘍の疑いで入院し治療の甲斐なく
10日で死亡、解剖の結果は脳の中はカビが繁殖、軽石のような穴に半透明の寒天のような物が詰まっていた。
肺にカビ菌が繁殖しカビ毒が血液を通じて脳にまで到達したようである。

昭和29ビキニ環礁沖で水爆実験の犠牲になったマグロ漁船。船員全員が死の灰を浴び死亡、直接の死因は真菌症であった。放射能を浴び免疫機能が低下した処にカビ菌が侵入した事が死因であった。

33.家の方位とカビ被害の関係

表では一般住宅におけるカビの被害の統計では、北向きの押入では60%近くがカビの被害が在るようです。日当たりが悪くじめじめしている事が原因のようです。
家具の配置も出来るだけ部屋内の壁に置く事でカビの被害から逃れる事も簡単に出来ます。外壁に面した壁に家具を配置する場合は、壁と家具の隙間を設け床にはスノコ板の上に家具を置く事で、室内と壁の温度差で自然対流の効果も得られます。

12.喘息・アトピー更に水虫から癌まで

水虫や喘息など身近な病気から内臓の疾患から臓器の癌、脳にカビ菌が入り込み死に至る事もある。これらの病気の要因はカビ菌が及ぼす真菌症であります。カビ(真菌)に対して抗生物質は病原菌となる細菌を退治しますが同時に健康を維持するための善玉の菌も死滅させカビ菌と闘うはずの菌が少なくなりカビが勢いよく繁殖できる環境が整います。抗生物質はカビには効果が無く抗生物質で邪魔な菌がいないとカビが猛威を奮い真菌症の発病となる。

13.食品工場は特にカビにご注意を・・・

工場内のエヤコンの排気口、設備機械の裏などにカビ菌が繁殖。仮に100円硬貨の面積にまで成長したカビ胞子の数は40億個にもなり、人が移動する際の風や振動など簡単に気中に飛散しカビの胞子で大気は汚染されます。食品に付着し冷凍してもカビ菌は冬眠中で死滅した訳ではなく、常温では休眠状態から脱出し繁殖し始めます。

14.意外に!湿気が嫌いなカビの存在(乾好性カビ)

表から結露や雨漏りが原因以外でもカビが繁殖する環境は確実に存在する事が理解いただけます。

カビの属性 繁殖湿度(RH) カビの種類
好乾性カビ 65%以上 麹カビ
中湿性カビ 80%以上 青カビなど
好湿性カビ 90%以上 ススカビ・黒かび・赤カビ

15.冬の結露のピークを上手く乗り切る方法とは?

正しい換気とは?家に溜まった湿気を含んだ空気を外に出して新しい新鮮な空気を吸い込む事が正しい換気方法であり、室内を全て締め切って換気扇だけを幾ら廻しても全く意味が無く正しい換気とは言えません。特に結露する冬の時期の換気が一番重要で効率的に行う必要があります。
暖房した温かい空気を換気し冷たい空気を入れる事はエネルギー効率だけを考えると無駄なように感じると思いますが、人体の健康面や家の健康から考えると重要な事です。結露は家の病気とまで言われております。

冬の時期の外気の湿気を考えると明らかに湿気がなく乾燥した空気です。それではどれだけ乾燥しているか?実は冬に天気予報で
-40℃のシベリアの寒気が日本の上空に・・・。この-40℃の空気の露点温度は理論的-40と考える事ができ地表近くでは森林、河川などからの水蒸気を含んだとしても異常乾燥注意報が発令されるぐらい乾燥した空気が私達の周辺にあります。この驚くほどに乾燥した空気を少しだけで家に取り込む事で確実に家の中の湿度は下がります。
どの程度の空気を家の中に取り込むか?が目的でなく家の中の湿度をどの程度にまで下げるか!が問題ですから、湿度計を利用し換気のタイミングを計り換気をする事が効果的な換気であると考えます。

参考までに過去数日間の湿度の履歴を考慮した湿度を実効湿度と言い木材の乾燥度を示し火災の発生率に関係する事で使われ50%を下回るとマッチ1本で柱に火がつくと言われている。
ちなみに昔の日本家屋では換気回数(家の空気が全て入替る回数)は5回〜7/程度であったが現在の家屋では高気密設計になっており換気回数として1.5〜2/日程度となっている事が、カビの原因、喘息・アトピー症状の要因となっているとも言われております。

16.換気のタイミングはこのツールを活用!

前項で説明しました効率的な換気方法の必需品といっても過言では無い湿度計。DIYなどで販売されているアナログ式の温・湿度計で十分です。一般的には商品の本体の裏に湿度を検知する部分があり、空気を取り込むための隙間が空いております。
設置場所は、家の中であまり使っていないお部屋や北向きのお部屋の壁(外壁面)に密着するように湿度計を設置してください。設置した湿度計の近くに熱源(テレビ・ストーブ・エヤコン風・直射日光の熱)が無い事を確認してください。壁面に密着する事で壁表面近くの湿度を表示してくれます。
この部分の湿度が
6070%程度で有れば他のお部屋の環境は良好と考えられます。この値以上になれば少し窓を開ける程度で冬場においては確実に湿度は下がります。

注)上記記載の換気方法の説明は結露を回避する為の説明であり、ガス・石油ストーブなどの燃焼器具を使用している場合の換気の説明ではありません。くれぐれも燃焼器具を使用している場合は燃焼機器の取扱に従ってご使用下さい。 

17.使っていない部屋が何故カビる理由は?

よくカビの現場でお話をお聞きするのは、特に冬場に多く「使っていない部屋にカビがよく出るのはどうしてか?」
使っていない部屋の温度は他のお部屋に比べ確実に温度が低い環境です。仮にキッチンや居間の温度が25℃で湿度が60%(露点温度約17℃)あり一番温度の低いお部屋の温度が20℃であればそのお部屋の湿度は約80%近くになり温度が17℃付近ではほぼ100%近く結露する可能性は大です。
この状況は家全体の密閉構造で湿度が多く出るキッチン・浴室などで発生した水蒸気を含む空気は蒸気圧(湿度)として介在し各部屋の圧力=湿度(圧力格差)が違っていても確実に均一になり最終的にはどの部屋の水分量(露点温度)も同じとなります。但し相対湿度は各部屋の温度が違うため一定にはなりません。
空気調和工学で湿り空気線図を参考にしてください。

32.家具の配置を考えるだけでもカビ対策が可能?

外壁の面している壁は避け特に北向きの外壁は避け、部屋内の壁に家具を置くと有効です。理由は家の中で最も壁の温度が低くなるところは、結露する可能性が高く最もカビが起こる箇所である為です。マンションでは両隣があるお部屋の壁に家具を置く場合はさほど心配ではないですが、端の住居で外壁側の壁に家具を置く場合は、壁から少し離し、家具の下にスノコ板などで空間を設け壁と室内空気の温度差で自然対流が出来るように設置してください。

過去の経験からですが、ベッドのマットレスの一辺が外壁面にピタット触れた状態で置いてあり、接触しているマットレスの面にカビが繁殖したケースがあります。これは就寝中の人体から発汗(約コップ一杯の水)しマットレス内部に水蒸気が溜まり、冷えた壁面に触れているベッドの部分に結露現象が起こりカビが繁殖する事になった。

ベッドと壁の間を空ける事で十分対策は可能です。 フローリング・床材の上にマットレス・お布団などを直に敷くと必ずカビは繁殖します。畳の上でも万年床では確実にカビは繁殖します。

31.冷えたビールで結露現象を解明する

カビが起る原因の一つに結露があります。よく例えられるのは、冷えたビールをコップに注ぐとコップに露がつく状態や、冬のガラス窓に露がつくなど、日常経験していることです。結露とは空気中に溶け込んでいる水蒸気(湿度)が冷やされる為に水滴になる状態を結露と言います。
結露のメカニズムの基本は、空気は温度が上れば膨張し温度が下がれば収縮します。
湿度(水分)を多く含む空気は少し温度が下がるとすぐに結露が始まり、また水分が少なく乾燥した空気では温度が下がってもなかなか結露しない事になります。
同じ25℃で湿度が30%と80%では結露温度が全く違います。30%の場合は6.5℃程度ですが、80%では21.5℃となる事でご理解いただけます。冬に一段と冷えた翌朝の結露した水が多くなるのはこの現象のためです。

25.結露を考えるには露点温度が近道

一言で露点温度を基準に考えると温度と湿度の関係は下記表の数値になります。
この表は密閉容器に一定の水分を含んだ状態の空気が温度による変化で湿度がどの様に変化するかを表にしたものです。温度が高くなれば湿度が減り逆に温度が低くなれば湿度は上る傾向で、温度と湿度は反比例の関係がある事が理解出来ると思います。温度(℃)が高くなると空気分子は膨張する性質があり温度が低くなると空気分子は収縮する性質がありあます。
この事を基本に措いて考えると相対湿度は人口密度みたいなもので同じ人数(露点温度)でも面積の大小(温度)により人口密度(相対湿度)が変わるのと同じ事です。また相対湿度が変化しても結露する露点温度は変わりません。
湿度の話をする時に一番ややこしく無いのは、露点温度を基準に考えると一層解り易くなります。

露点温度(Dew point   温度 ℃   相対湿度 %RH
10 30 30RH
10 20 53RH
10 15 73RH

26.カビの常識が変わる!カビの餌食は・・・

カビが繁殖に成功する条件は、栄養素・温度・湿度と酸素です。この条件の中で私達が生活する上で比較的に容易に対処出来るのは湿度(水分)の条件だけであります。カメラのレンズ・プリント基板・アルミ・プラスチック・ゴム・樹脂の素材から身の周りの壁紙クロス・断熱ボード・フローリングに至るまで、従来のカビの常識を超えるほどの旺盛な繁殖能力を持ち合わせております。
更に、自然界では植物に寄生するアブラムシにカビが取り付きカビの菌糸の力でアブラムシを絞め殺す事を利用した殺虫剤の研究も進んでいるようで有る。また地中の虫に冬虫夏草菌(カビ菌)が感染し漢方薬で使われる冬虫夏草として利用されている。

人間が生活する温度帯とカビが繁殖する温度も同じです。湿度(水分)をどのように日常生活で上手くコントロールするか?が我々に残された僅かな抵抗かもしれません。但し乾燥している環境を好む好乾性カビでは繁殖する為の限界湿度は65%以上であり、人類の生活環境はカビの繁殖環境と同じ条件であり、いつカビが繁殖してもおかしくない環境である事を確認しておいてください。

27.一晩でダニがカビを食い尽くしたお話

カビの胞子はダニの餌となります。シャーレいっぱいにカビを繁殖させダニの一群を入れた結果、一晩で全てのカビを食い尽くしてしまった、と有ります。またシロアリなどもカビの胞子を餌とし繁殖します。自然化で生息するハキリ蟻は葉を細かく切って自分の巣に運び入れ、その葉にカビを繁殖させて餌としている。など意外なところでカビは餌となっているようです。一般的なシロアリ駆除より防カビ施工が優先順位は先のようです。

28.日本の気候風土に合った生活環境の見直し

日本の歴史の中でカビが私達生活に関わり豊かな食の文化が味噌・醤油・酒・納豆・鰹節など様々な処で私達の生活に貢献しております。昔はカビとうまく共存してきました。しかし、約30年程前から花粉症に代表されるアレルギー症状が多くなった原因の根底には住環境が大きく関わっております。
建物のデザインや外観を優先するあまり日本の四季・気候風土を無視した住居空間になっていないでしょうか?住環境を考える上で住まい方の知恵ををもっと考える時期がきたのではないでしょうか?一度私達の身の回りや生活のスタイルを見直して頂くチャンスになれば幸です。また建築・リフォーム業界のプロの方々にも正しい知識と適切なアドバイスをお願い申しあげます。

29.カビの毒性と被害の量

カビは医真菌学の分野では病原真菌と呼ばれこの真菌の感染により疾病を真菌症と呼んでおります。お酒も飲んでいないのに酔ったようになる酩酊症(メイテイ症)とは、カビの種類でカンシダ菌が人体に入り胃腸の中のデンプン質を取り込み分解し体内でアルコールを作る病気や、建築関係の業者の方で工事中にカビの胞子を吸い込んだ事から、お腹にガスが溜まり医者で診察した結果カビの胞子が原因であったようです。
第二次世界大戦後のソ連のある地域で赤カビが寄生した小麦・大麦・蕎麦を食べ住民の
10%が死亡した。老人子供の死亡率3080%にも及んだ。日本でも戦後の食料難で輸入された米にカビ繁殖し黄変米として流通、肝硬変・肝臓癌となる事で社会問題となった。
数年前にも黄変米が食用として流通し焼酎・酒造・お菓子メーカなどにも渡り問題となった。カビ菌糸は
60℃、胞子は6570℃ 510分程度で死滅する菌もありますが、カビの中でも120℃で30分でも死滅しないカビもあります。カビ毒は温度をかけても分解する事無く存在しカビの中でヒ素に匹敵するぐらいの毒性を持つカビもありますので注意してください。

30.二重サッシがカビの原因に

一般的なサッシに比べ2重サッシは断熱性・遮音性・結露も少ないなどの利点がありますが、思わぬ処の落し穴があります。なるほど結露は解消し部屋も暖かく快適ですが、一方ではカビ菌が繁殖するのに最適な環境になります。 理由は従来の1枚ガラスのサッシでは、室内に溜まった湿気をガラス表面に結露現象として湿気を取る為の「除湿器の働き」をしていましたが、2重サッシにする事で結露はなくなりますが、除湿(結露)しない分今まで以上に室内の湿気は高い状態のままでカビにとっては繁殖するのに最高の条件が整ったといえます。 また家の中に溜まった高湿度の空気は水蒸気圧(圧力)として各部屋の隅々まで行渡り家の中で最も温度の低い所から結露が始まりカビの被害も同じく拡大します。目先だけの結露防止だけではなく根本的に結露の原因となる因子を取り除く事をお勧めします。また湿気を吸収してくれる内装材を使っても、放湿させる為の室内の湿度が高いと乾燥(放湿)か少なくなり従来の性能が発揮できなくリフォームした意味もなくなります。色々とお金をかけるには限界があります僅かな換気をするだけでかなり改善できます。


カビを考える! 15年の歩み

MD123の特徴 カビの被害 ・商品・施工例 ・JIS規格? 真菌・細菌とは リンク ・会社案内

ベッドの横に黒い斑点がカビ

室内 25℃ 
湿度 70%
露点 19℃

樹脂コーキングを狙ってカビが繁殖


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温湿度計

畳にカビが生えたかたら畳の部屋を全てフローリングや板の間にリフォームした、 畳にカビが生えた事が原因でアトピーが酷くなった!など・・・ なぜ畳だけが「カビの原因」になっているかのように言われ続けておりますが、全くの誤解で有りカビの原因でなく原因による「結果」であります。少しでもカビに対する知識や住まい方の知恵が無い事で畳が犠牲になったとしか思えませんし残念でなりません。壁紙クロスにカビが生えてもクロスが原因で土壁に変えた、なんてこんな話はあまり聞いた事がありません。あいも変わらずクロスに張り替えるのが常識のようになっています。

数年前にイグサの生産量トップの熊本県八代市に行く事があり、数人のイグサ生産農家の方々と小高い山から見た作付け面積が本当に少なく、休耕田が多くあるのを今も思い出します。  イグサ農家の方々から後継者問題、輸入イグサとの価格、住宅の畳面積の減少など多くの問題を抱えておられる事に驚きました。

畳業界の方々も同じく危機感を感じておられイグサの抗菌効果、除湿効果や畳の特徴である難燃性・遮音性・吸湿性・断熱性など畳の科学的な特徴と健康面も含め啓蒙活動に取り組んでおられますが、日々の現場で畳のイメージについて一般の消費者・建築関連の方々にお聞きしても「畳=カビ」のイメージが根付いている様で残念です。

なぜ畳がカビるのか?本当の原因は何処にあるのか?を徹底的に掘り下げて来なかった事に原因があると考えております。建築・リフォーム会社から「畳にカビが生えた」ので交換して欲しいなどの問合せに対して安易に対処した事が多くの問題の根底にあるように思います。カビに対する専門的な知識があれば、畳とカビの被害も回避する事が出来更に啓蒙活動に掛ける時間と労力・費用から考えると多くの有形・無形の損失であると考えております。

私の過去の現場経験からカビが起こる直接的な原因はこの章に書いている「床下換気の善と悪」と「換気の仕方」などについての説明を読んで頂ければ決して畳はカビの原因で無いと言う事がご理解いただけます。 カビが起こるような生活の仕方が問題で、住まい方を見直す好いチャンス!と前向きに捉えて畳の上でゴロ寝の気持ち良さ!を満喫して欲しいものです。最も私達の生活に身近な畳が将来には伝統工芸品のような扱いになる事を危惧しております。ぜひとも畳業界の啓蒙活動のお役に建てれば幸です。

別件
八代でお世話になったイグサ農家のお家にお邪魔したときに、ご主人からどちらの畳に寝ころがると気持ち良いですか?の意見を求められ、こちらの畳がやさしいですね!と回答しましたら、これが本来の畳で本床を使った畳ですと言われました。ちなみにもう一方は畳の床はウレタンで、現代畳って言うらしいです。畳の現代も過去も無いはずなのにネ!

 項  目
35.畳屋さんが「カビの犠牲」に!

36.調湿内装材の「放湿性能」に落し穴!

珪藻土の45倍の吸湿量」を詠った調湿内装材として大手メーカから販売されている商品がありますが、吸湿性能よりカビの原因となる放湿性能が最も重要な機能で放湿に時間がかかるとカビの温床になるのでは?と懸念しています。家の湿気を吸わせるだけ吸わして後は知らないでは・・・ 問題ですね!

先日あるメーカの調湿内装材の性能表で吸放湿性能試験20℃で90RH50RH)の湿度サイクルをおこなったデータを見る機会がありました。その試験で試料に一定の○○m/sの風速条件の記載が無いのに気づきました。調湿材が湿気を含んでいる状態から乾燥する状態に至るまで、どの程度の風速環境でテストが行なわれたのか?この風速条件が珪藻土と調湿内装材の性能を比較する場合最も大切な事だと考えております。

実際の住宅で、結露が問題となる現場では換気も少なく殆ど風速がない状態であり、調湿内装材のメーカの吸放湿性能試験データをそのまま参考に出来ないと考えました。放湿特性と考えると例えば、調湿内装材の厚みは5~6ミリ程度、素人も塗れる珪藻土の厚み23ミリ、同面積に飽和しない程度の水分を相互の試料に吸収させ同じ吸放湿性能試験(20℃で90RH50RH)を行った場合は、どう考えても半分の厚みしかない珪藻土に軍配が上がるのは当然だと思います。また「珪藻土の45倍の吸湿量」が必要であれば薄く塗り、塗る面積を単純に45にする方が乾燥も効率的におこなえる施工だと考えております。デザイン性や色調の豊富さなどを考えると調湿内装材は有効ですが・・・。

誠に専門的な事ですが・・・、一般的に恒温恒湿試験機内部の試験槽では温度分布を均一にする為に最低でも2.5/sの風を内部で廻す必要があり温度が一定になれば湿度分布も良くなります。なぜ風速2.5/sが必要か?に付いては湿度コンロールをおこなう側の湿球温度を正確に測定するには湿球ガーゼ(ウイック)に当る風を安定させる事で湿度コントロール性能を高める上で重要な風速といえます。このメーカさんの吸放湿性能試験では2.5m/s程度の風速条件でおこなわれたと考えます。こんな風速がある室内は無いと思いますね!2.5m/sとは一秒間にタンポポの種2.5mも移動する風の速さ事ですよ!

一般的にカビの被害が多くあるお家は右の図※マークの所が多く一番最上階の端の※1お部屋が酷いことが有ります。 この※の部分のお部屋は外壁に面しており冬の時期など外壁の冷えで結露が発生し易い為カビの被害は多くなっております。また廊下側のお部屋の壁や玄関付近の壁なども外気の影響で冷える事で同じ現象でカビが発生しております。

マンションの部屋の位置

観葉植物を室内に置いてからアレルギー症状がでる場合が考えられます。観葉植物の土にカビが繁殖しカビ胞子で室内が汚染された事が原因です。また熱帯魚の水槽からの水の蒸発で室内が高湿度になりカビが繁殖するケースも考えられます。

.39..カビを残したままのリフォームの問題点

過去にお客様からリフォームのあと部屋に入るとカビ臭がするので調査して欲しい。との依頼で伺い部屋の隅々まで調査したがカビは全く無い状態であった。部屋の窓・扉を全て閉めて換気扇をつけて部屋内部を負圧状態にすると、電源コンセントのプラグ穴からカビ臭が酷くする状態でした。 また同様のケースで、負圧試験をおこなった結果、内壁と外壁の間に雨漏りがあり、壁ボードを剥すと内部はカビが繁殖していた。
少しでもカビを残したままの工事は危険で、再改修費のことを考えると最初の段階で防カビ処理を施す事をお勧めします。

37.マンションの部屋の立地とカビの関係

38.観葉植物・熱帯魚とカビの関係